「スマホ融資」とは、アプリで手続きができる個人向け融資
新しいサービスのように広告を出している事業者が多いですが、スマホ融資の多くは既存の消費者金融やカードローン会社が手続き方法の一つとしてアプリをリリースしたものが大半です。
アプリで手続きを完結できるようになったことで審査や融資までの時間が短縮され、スピーディーな借り入れが可能です。「最少額は1万円」という条件も多く、なかには1,000円というものもあり、少額から借りられる融資であるといえます。
アプリで手続きを完結するための要件は事業者によって異なりますが、借り入れをする際はアプリをダウンロードして、所定のフォームに必要事項を記入したり、本人確認書類などを読み込んで申し込みします。
融資されたお金は銀行口座への振り込みや、提携ATMから出金して受け取ることができます。
サービスを行う主な事業者は大きく分けて3タイプ
AppStoreや、GooglePlayStoreにアクセスし、”融資””お金を借りる”といったキーワードで検索すると数十ものアプリが表示されるほどに、スマホ融資を行う事業者は数多く存在します。
現在サービスを提供している主な事業者を大きく分けると「消費者金融系」、「銀行カードローン系」、「スマホ決済系」の3タイプです。
「消費者金融系」は専業だけに、申し込みをした日に融資が実行される、平日以外でも審査や融資を行っているなど、利便性を重視しているのが特徴です。
また、アプリで手続きを行うと郵送物は一切なく、アイコンを社名が入っていないものに着せ替えることができるなどプライバシーへ配慮する姿勢も見られます。金利水準は3%~18%程度です。
これに対して、申し込みは24時間365日可能、ただし融資は基本的に最短翌日以降というのが「銀行カードローン系」です。
「消費者金融系」よりも金利は低めですが、審査は厳しいといわれています。
金利水準は1.5%~15%程度です。
利便性を高めるためにスマホ融資を始めたという「消費者金融系」や「銀行カードローン系」に対し、新たな収益事業としてサービスを始めた「スマホ決済系」は既存の事業者と異なるサービスも提供している点がポイントです。
例えば、融資額を現金ではなくキャッシュレス決済の残高にチャージしたり(利用額には通常どおりのポイントが付与される)、個人間売買の売上金を返済に充てることもできます。金利水準は0.8%~18%程度です。
スマホ融資は「AI」を使った独自基準で審査
これまでの個人向け融資は、指定信用情報機関に登録されている信用情報や勤務先、勤続年数、雇用形態、年収、家族構成といった属性情報を中心に与信審査を行ってきました。
この方法だと、どうしても自営業者よりも会社員、若年層よりもある程度の社会人経験がある世代のほうが与信枠は大きくなります。
ところがスマホ融資は信用情報だけでなく、購買や取引の履歴、申込時に入力する自身のライフスタイルに関する質問などこれまでとは異なる視点で集めた情報も加え、AIを使った各社独自の基準で審査を行っています。
所定の金融機関や通信会社との取引情報を連携したり、性格やライフスタイル情報の入力、行動習慣の記録など回数を重ねるほど分析精度が高まってスコアが成長し、融資条件が見直されるという仕組みです。
「後払い」「翌月払い」のポストペイ型スマホ決済にも要注意
スマホ融資ではありませんが、最近「後払い」「翌月払い」のスマホ決済も増えています。
事前にチャージをしなくても利用できる点が便利という声もありますが、後から決済をしないといけないという意味では借り入れということもできます。お金を借りてまで買いたいものなのか、手持ち資金の予算内に収まっている買い物なのか、慎重に判断をする必要があります。
後払い型のキャッシュレス決済の特徴として、1カ月分をまとめて翌月に一括で銀行口座から自動引き落としで支払う場合手数料はかかりません。
ただし、翌々月以降に支払いを繰り延べて返済、定額払いで返済、提携ATMから返済などといった方法を選ぶと手数料が必要になるため注意が必要です。
申し込みの条件も、スマホ融資では「満20歳以上、定期的な収入がある」とされていますが、後払い、翌月払いのスマホ決済の場合は「満18歳以上、学生も可」としている事業者もあり、若年層が少額だからと気軽に利用し、返済できない事態に陥ることも懸念されます。
「個人向け融資」はできるだけ利用しないマネープランを
生活者が融資を受けることを考えてもよい場面は、多額の資金が必要で、費用を準備してから手に入れるよりも先に入手したほうが著しくメリットが大きい、融資を受けたお金でそれ以上の投資効果が得られるといった、住宅ローンや奨学金などに限るのが基本です。
スマホ融資で借りようとするお金は、それほど大きな金額ではない場合が多いと想像できます。そうであれば、借りるお金はどうしても用意できないのか、貯まるまで待つことはできないのかをまず検討することが重要です。
スマホで手続きが完結することで、お金を借りることが給料の前借りのように手軽でカジュアルな行為と思えることはとても危険です。
郵送物やカードがないことで、家族や周囲の人に知られる心配が少ないことで、気がつかないうちにトラブルを大きくしてしまう可能性もあります。
融資や後払いではなく、毎月の収入の中で支出を管理できる方法を身に付けるためには、専門のトレーナーが指導する方法もおすすめです。ダイエットなどと同じく、自己判断を辞めて具体的な計画を基に良い考えや行動を習慣化することが非常に重要です。
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